誰かがこんなことを言ってるのを聞いたことは無いだろうか。
「土日は下落しやすい」
「月曜日は騰がりやすい」
などといった、曜日と結びつけての謄下落に関するコメントだ。
このような、
"はっきりとした理論的な根拠を持つわけではないが、よく当たるかもしれないとされる経験則"
のことをアノマリーという。
というわけで実際に2017年1月1日からのBitfinexでのビットコイン(BTC)のデータをもとにこのアノマリーを検証してみた。
曜日のアノマリー、統計結果
早速、統計結果から見ていこう。
まず、一年間通して1/1終値($999.0)から11/1終値($6739.6)までのBTCの上昇率は
+574.635%
である。つまり1/1にBTCを買ってまだ持ってる人はおよそ7倍近くに資産は膨れているはずだ。
Lendingにでも放置してようものならさらに膨れているでしょう。
Lendingについてはこちらをどうぞ!
次にこの合計305日間の日足が陽線(日本時間)だった日は
182日
である。
つまり、59.672%の日でその日は始値より終値の方が高くなっている。
驚異的すぎるぞ...BTC!!!!!
ではこれを曜日別に見てみよう。
見ていただくとわかる通り、月曜日がぶっちぎりで上がりやすくなんと、
72.73%
もの日が陽線である。
そして最も低いのが水曜日で
45.45%
よって陰線の日の方が多いということになる。
そして土曜日と日曜日はなかなか面白い結果である。
日曜日は50%であり、水曜日の次に低いのだが、
土曜日は62.79%とまあまあ悪くないのだ
つまり土日が下がりやすいとは一概には言えず下がりやすいのはむしろ水曜日だったことになる。
しかしまだこれだけでは不十分だ。
陽線のでやすさつまり勝率なんて求めても意味がない。
トレードにおける勝率なんてものはまやかしであり初心者がきまって陥れられる罠なのである。
なんなら勝率が高いトレードが良いとは言えない。
勝率の低いトレードと比較したときに良くないトレードスタイルであるケースが非常に多い。
ましてや勝率の高いトレードを目指そうとした場合、それは最もやってはいけないことである。
それについては話しが逸れてしまうのでまた別の機会にまわそうと思う。
今回の場合、
72%の勝率があったとしても、利小損大なら負けることが可能であり、
45%しか勝率がないにしても、利大損小なら勝つことができるわけで、
騰落率も計算に入れる必要がある。
全体の騰落率平均は+0.74%であり、例えば毎日定額100万円を始値で買って終値で売るというトレードをした場合(終値=翌日の始値になるのでこれをする意味は薄いが...)一日平均7400円儲かったことになる。
曜日ごとの騰落率平均が先の表の一番右の列だ。
全体での平均+0.74%と比較してそれより高いのが月、火、木曜日となった。
また、金曜日は陽線確率が58%あったにもかかわらず平均騰落率はマイナスでさらに水曜日よりも低かったということが分かった。
考察
次にこの結果に対しての考察をしていきたいのだが、あくまで"アノマリー"であるうえにサンプル数が少ない。
よってもう片足はポエム沼にはまりそうなレベルの議論であり、半ばナンセンスであることは忘れないでほしい。
まず説明をつける上で最も簡単なのは月曜日だろう。
月曜日は銀行が開くので追加入金が起きやすく資金流入が起きやすい。と説明することができる。
とはいえ、特定の銀行を選べば土日でも入金出来たりするし、そもそも入金を月曜日にわざわざする人自体そこまで多いとも言い難い。
土日で買いたいけど入金できないというのを我慢したあげくに、月曜日に入金してトレードをするという人が多いと仮定してもそれがこれだけの圧倒的な上昇率を産み出す要因になるかもなんともいえない。
もし、土日の入金ができない銀行が多い等の要因で資金流入が起きづらく相対的に他の曜日よりも騰がりづらいということを仮定するなら、
土曜日の陽線確率がそう低くないのは時差によって日本で土曜日でもまだ金曜日の国はかなり多いためと説明することもできるが、やはりその仮定が不安定だ。
最も説明し難いのは、水曜日である。
水曜日だけどうして半分以上陰線なのか。
この伸び続けたBTCにおいてなぜ金曜日は水曜日以上に平均騰落率が低いのか。
それは誰にもわからない。
わからないからアノマリーなんだ❣
以上の議論の余地もないと思う。
結局のところこれを考慮に入れてトレードに取り入れるのはお勧めできないし、
気にする必要もないとは思う。
ただ、結果としては土日が落ちやすいというよりかは
水曜日や金曜日は落ちやすい。
という年だった。
ということになる。
しかしそれでも月曜日の伸び率は目を見張るものがあり、月曜日になったら買って終わったら売って
なんていうのを毎週やるのもありなのかもしれない。
ただやはりサンプル数不足であることは否めないのでそのうち2016年版データも合わせたものをつくりたいなとは思うがいかんせん、データ取るのが大変なのでまたそれは別のときにということにさせてください。
色んなアノマリー
相場のアノマリーは世の中にはいろいろある。
その中で有名なところを少し紹介しようと思う。
節分天井、彼岸底
節分の時期(2月上旬)に高値をつけて、彼岸の時期(3月中旬)に安値をつけるという、相場の言い伝え。年初から新春相場が始まると、節分の時期まで上昇を続け、その後は3月決算などのイベントを控え調整局面になり、しだいに下落していくという相場の動きを言い表している。
戎天井、天神底
1月にえびす神社の十日戎が催される時期に相場が高値をつけやすく、7月に大阪天満宮の天神祭が催される時期に相場が底値を付けやすいことを表している。
東証株価指数がサザエさんの視聴率に相関するというアノマリー。
相関指数は0.86とされており、ニューヨーク株価指数と東証株価指数の相関指数0.56を大きく超えているというユニークながらも強いもの。
景気が良いと家でゆっくりテレビを見ることができるから視聴率があがるという説が有力だがこれに関しての研究は結構真面目にされていて興味深い。
また、DREAMS COME TRUEの人気が上がると株価指数が比例して上がるという説もあり、アノマリーは雑談で話す分には面白い。
あくまで雑談であって、本気でそれを受け止めて、
サザエさんが世界でブームになった!!!
よっしゃじゃあ株買うか!!
などということはするべきではない笑