dAppsを日本語に訳すならば「分散型アプリケーション」です。非中央集権であるがゆえに特定の運営というものは存在しません。コミュニティ(本記事内で述べるコミュニティとはガバナンストークン保有者を指す)が投票により、予算の使い道を述べます。この時に必要であれば、適任とする人やチームに予算を出し、アプリケーションの開発やマーケティングを委任します。この委任されているチームが現状一般的にDAOと呼ばれるものになります。最も狭義の意味ではプロトコルに貢献する人たち全体をDAOと呼びますが、dAppsにおけるDAOとは基本前者になるので、以下は前者の意味でDAOという言葉を用います。
DAOは多くの場合、そのアプリケーションを生み出したチームです。それは基本的にそのチームがそのアプリケーションの開発を継続するのに最もふさわしいと考えられるからであり、コミュニティが不適任であると考えたり、他にもっと適任な候補がいると考えれば、現チームを罷免することも可能です。また、ガバナンストークンを発行した元でもあるため、そのアロケーションから投票で有利なことも多いはずです。過半数のガバナンストークンを占める自称DAOがいる場合、それは中央集権的です。その組織はDAOではないですし、アプリケーションも分散型とは当然言えません。危険です。
DAOに開発やマーケティング等の予算として割かれる資金源には大きくわけて5種類あります。
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利用手数料
基本的に殆どのdAppでは利用手数料が設けているか、将来的に設けることを予定しています。例えばDEXでは取引時に0.02%が徴収される。レンディングプロトコルなら、預入資産の引き出し時に利息から15%が徴収される。などです。
- プロトコルで発行するトークンの排出
最近は最初に全供給量を発行しきるのではなく、徐々に発行していくのが主流です。この新規発行トークンから一定割合をDAOの予算に割り当てていることはよくあります。 - プロトコルで発行したトークンの売却
ガバナンストークン等プロトコルで発行するFTまたはNFTは基本的にDAOが一定割合のアロケーション(発行時の割り当て)を持っています。そのため初期流通時点で一定割合(20%前後が多い?)を持っており、それらを売却することで資金を調達することがあります。これがガバナンストークンの場合は短期的には下落を生むかもしれませんが、プロトコルの分散化が進むことになります。 - 資金調達
ローンチ時にトークンをICO/IEO/IDOなどの方法で一般に売買していたりVC等から出資を募っていた場合にはある程度の金額を調達していることが予想されます。DAOによってはこの資金源のみを頼りにし、上記3つのユーザーから取る利益をなるべく取らないようにして、よりユーザー体験を向上することに努めているものもあります。 - フロントエンドでの中央集権的ビジネス
UI上での掲載等を有料にしてプロジェクトからリスティング料金を徴収しているdAppも一部あります。dAppの本質はコントラクトアドレスの塊であり、ウェブサイトは委任されたチームがユーザーが使いやすくなるように用意しているものですが、殆ど全てのユーザーはそのウェブサイトを利用する実情から中央集権的にそのウェブサイト上でのサービスを販売することで収益をあげるということが成立しています。
個人的に私はこれをやるプロジェクトがdAppやパーミッションレス、トラストレスという言葉を使うのはとてもモヤモヤします。
「委任されているDAOが、運営しているdAppのコントラクトまとめサイト上で非公表でビジネスをしている」あなたはどう思いますでしょうか?
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