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積み立て投資の戦略

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買った銘柄が購入後に下落してしまい、含み損を抱えるということは投資やトレードをしたことがある方なら誰しもが経験したことがあることでしょう。

そのようなリスクを最小限まで小さくし、尚且つリターンを大きくし、さらに精神衛生上での健康をもたらす投資手法が存在します。

それが、ドルコスト平均法を用いた積み立て投資です。

 

 

ドルコスト平均法とは

ドルコスト平均法とは、積み立て手法の一つです。

まずは非常にシンプルなルールを紹介します。

 

"定期的に定額分購入する" 

 

え?それだけ?という感想を持たれたからも少なくないでしょう。本当にそれだけです。誰でも一瞬で理解できる非常に簡単なルールもその魅力の一つであると言えます。

 

例えば、"MONAを毎週月曜日に1万円分購入する"というルールにするとしましょう。

初週の積み立ての際に、1 MONA = 200円 の場合だとすると 1万円で 50 MONA 購入することができます。

第2週の積み立ての際に、1 MONA = 100円 まで下落していたとすると、1万円で 100 MONA 購入することができます。

第3週の積み立ての際には、1 MONA = 150円まで反発していたとすると、1万円で66.6 MONA 購入することができます。

 

ここまで3万円を使って、216.6 MONA を取得しています。30,000/216.6 = 138.5 なので、平均取得単価は 138.5円です。

つまり、138.5円以上の時にはプラスになっています。

200円、100円、150円という各ポイントで同額買ったにも関わらず、その平均価格はその中間地点150円よりも低めに抑えられているのです。そして、150円で購入後には、32,490円相当のMONAを持っているので 8.3% (2,490円) の利益となっています。

このように、安くなるほどたくさん買い、高くなるほどあまり買わないという積み立て方法なので、取得平均価格が低く抑えられ、そのうえで上昇トレンドでも購入し続けられるため、続ける限り大抵の相場で強い味方となります。

 

積み立て投資が向いている人

  • 毎月の収入がある人

    週1万円の積み立てをする場合は月間の投資金額は4万円強となります。その分を貯金するように給与から差し引けば無理なく長期的に続けることができます。月1万円でも1日500円でも構いません。長期的に続けるのに無理のない範囲であることが大事です。

    また、一度に大量に購入するわけでもなく、変動リスクを最大限に抑えているので取引が苦手な方にもおすすめです。

    ちなみに、トレードの上手い方でも長期的に積み立て投資の投資成績を超えることは非常に難しいと言えます。おそらく殆どの人がドルコスト平均法での積み立て投資していたよりも成績が低いかむしろ、損している状態です。

  • トレードの天才ではない人
    実は裁量取引で長期的に利益を出すことは一般的に思われているより遙かに難しいことです。相場は性質も日々変化します。それに長期的に柔軟に適応し、投資成績がプラスなだけでも厳しいのに、ドルコスト平均法を用いた積み立て投資の成績を上回ることができる人は殆ど存在しません。99%以上の人がそれを達成することができません。100人に1人どころか1万人に1人もいるだろうか...というレベルです。経済学者でさえもそれはできないのです。しかし、ドルコスト平均法のルールは誰もが理解できる非常に簡単なものです。なので、ほとんど全ての人の最適な投資手法はドルコスト平均法を用いた積み立て投資であると言えるでしょう。

  • 忙しい人・トレードに時間を割きたくない人
    ドルコスト平均法は一定期間ごとに買うだけの手法です。週1なら、週1回1分程度で終了する購入以外何もする必要はありません。月1積み立てなら月1分で十分です。それに対して、裁量取引では1日の殆どの時間を使うことにもなりかねません。時間効率の圧倒的な良さも積み立て投資の魅力の1つです。簡単なルールなので、botを組んで、全自動にするという人もいます。
    空いた時間を有効活用すれば、QoLを含めた時間あたりの総合的な利益はさらに大きくなると言えます。

  • 値動きで必要以上に感情が揺さぶられる人
    ドルコスト平均法は相場の上下に関係なく、定額を定期的に購入し続けるだけなので、値動きに翻弄されることがありません。上がろうが下がろうが構わない、相場をウォッチする必要がない、という特性は精神的な平穏をもたらしてくれるでしょう。

ドルコスト平均法のアレンジ

ドルコスト平均法は非常にシンプルがゆえに様々なアレンジをすることができます。考えられるアレンジをいくつかご紹介します。

  • 上限価格の設定
    例えば1BTC = 500万円というボーダーを引いて、価格がこれ以上の場合は買わない。とすることで平均取得単価の最大値を500万円にする = 平均取得単価を下げることができます。
    代わりに、上昇トレンドが続いた際に想定される利益が減ることにもなりますので、攻めを守りに振るかたちになります。

  • 短期積み立て
    100万円分買いたいというときに、20万円分ずつ、5週間にわたって購入するというように、今すぐ買い集めたい/安値がそう続きそうにない際には期間を短くして、大きく買っていくと、一気に100万円分買うよりかは比較的リスクの低い取得をすることができます。

  • 逆積み立て
    売却にもドルコスト平均法を用いるという出口戦略が考えられます。
    BTC/JPYで積み立てたBTCを今度は、JPY/BTCで積み立てていくのです。

    例: 毎週月曜日に 0.01 BTC相当のJPYを購入していく

    ただし、所得は法定通貨で得る人が多いはずなので、基本的には保有BTCを分割して売るというような感じになります。長期的に続けるためには、BTC自体を運用することで、そのインカムゲインから売却分を捻出する必要があります。

  • 開始地点を中心にした一定の価格範囲内で購入金額を変動させる (上級者向け)
    ドルコスト平均法をベースに購入金額を価格の推移によって多少変動させるという戦略も考えられます。
    価格が上がるほど、購入金額が減り、価格が下がるほど購入金額が増える。その両者に上限を設定し、価格に対して指数関数的に変動させると平均取得単価がさらに小さくなります。
    例: 1 BTC = 300万円 日に5000円分BTCを購入し、毎週1回の積み立てを開始する。
    1 BTC = 600万円のときに購入金額は週2500円分で上限となり、1BTC = 150万円のときに購入金額が1万円分で下限となる。

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    図にするとこんな感じです。ノートPCのタッチパッドでフリーハンドで描いたので比率がおかしいのは許してください笑


ドルコスト平均法の弱点

ドルコスト平均法にも弱点はあります。

それは対象が完全に取引停止になることです。

相場は常に上がったり下がったりします。どれだけ上がってもどこかで下落はあり、どれだけ下がってもどこかで上昇はするものです。最後にある程度上がりさえすれば利益になるドルコスト平均法でも、取引停止という弱点があります。

暗号資産は世界中に様々な取引所があったりDEX (分散型取引所) も存在するため、このリスクは比較的小さめですが、株で積み立てをする際には注意です。

そのため、基本的には長期的に生存することが見込まれる銘柄であることが推奨されます。BTCやETHは非常に多くの取引所で取り扱われており、将来的に価値が無くなる可能性も限りなく無に等しく、それでいてボラティリティが激しくどこで買えばいいのか困りやすいものでもあるので、最もドルコスト平均法での積み立てに向いている投資対象であると考えられます。逆に、小型株や低時価総額な暗号資産は向いていないと言えます。

また、記録していないと一目で自分の平均取得単価がいくらなのかわからないことも弱点と言えるかもしれません。

日付と購入金額、購入数量だけをエクセルにまとめておけば、簡単に計算可能なので、平均取得単価が気になる人は積み立てのたびにメモしておくといいでしょう。

合計金額を合計数量で割ればいいだけなので、エクセルでの計算自体は非常に簡単です。

 

積み立て投資をブーストする

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積み立て投資は一度に大量に買うわけではないので、キャッシュが浮きやすくなります。そのキャッシュをUSDTなどのステーブルコインで、レンディングサービスに預けることでさらにその利益率をブーストすることができます。

例えば、BHEX の USDT Flexible Stakingではいつでも引き出し可能であるにも関わらず預けるだけで年利15% (2021年6月現在) という高利回りな運用をしてくれます。 

USDTを年利15%で貸し出し、積み立てをする際に必要分だけ引き出してそのUSDTで積み立てる。とするとさらに利益をブーストできるため、積み立てと貸し出しは非常に相性が良いと言えます。もちろん積み立てた資産を預けることでも、さらに利益は大きくなります。レンディングサービスと取引所が一体となっており、貸し出しから積み立てまでに手間やコストがかからないので便利です。

BHEXはこちら↓

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レンディングをDeFiで行いたい方には、AaveC.R.E.A.M FinanceJustLend などがありますが、高頻度にトランザクションを発生させるとガス代が馬鹿にならないので一度に大きな金額を積み立てるか、低頻度に積み立てる方が良いかと思います。積み立てをDEXで行うことで、完全に分散的な取引のみで積み立て投資を行うことも理論上は可能です。

最後に

積み立て投資は先物取引オプション取引/FXで行ってはいけません。必ず現物を購入しましょう。