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BHEXの思い出...は語れなかったので、好きだったところを。

BHEX Chainで展開されるHDEXの紹介と最新考察 - クリプトゥーロゥ.com

BHEXはHuobiやOKExなどが出資してHuobi元CTOにより創設されたBluhelixグループが運営する暗号資産取引所でした。同グループのBluehelixクラウドサービスを自身でも利用しており、それを利用する260以上の取引所で取引量を合算しているためにしばしばBinanceを超えるほどの取引量になっていたほどの規模の取引所です。今回の中国での暗号資産規制により、BluehelixグループはBHEXのサービス終了を決定しました。

独自開発のパブリックチェーンであるBHEX Chainの開発やシンガポール現地のローカル取引所であるBHEX SGの運営は今後も続きます。Bluehelixクラウドシステムを利用しているChiliz Exchangeなどが特にアナウンスしてないので多分クラウドシステムの運営も今後も続くのではないかと思います。

今回はBHEXを偲んで、私が愛したBHEXの思い出を語りたいと思いました。

...が、あまりにも思い出が多く、本当に大好きな取引所だったので長くなりすぎることが途中まで書いてわかりました。

なので、他人にはどうでもいいであろう私の個人的な思い出の数々は胸にしまって、今回はいかに素晴らしい取引所だったかを記述します。思い出が聞きたい方は個人的にでも聞いてください。

 

BHEXサービス終了のお知らせ

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真摯すぎるユーザー対応

やはり、まず伝えたいのは真摯すぎるのではと思うほどのユーザーファーストな経営方針です。BHEXほどユーザーを第一に考えた取引所は後にも先にもないでしょう。何をするにしても、セキュリティ、ユーザーは儲かるか/損をしないかを大事にしていました

以下に過去の対応例を紹介します。

XYM(SYMBOL)の2度の配布

XYMはXEMNEM保有者に1:1で配布するという方式で流通が始まりました。BHEXもXYM配布に最も早く対応した取引所の一つです。取引所でのスナップショットはその前後に入出金を停止するため、停止期間中であればオンチェーンでのスナップショットタイムと同じタイミングでのXEM保有者に対してXYMを保有する必要がありません。そのため、取引所によって配布日時が異なっていました。BHEXは事前にその日時をアナウンスしていたのですが、BHEXでオンチェーンでのスナップショットの日時でのXEM売りが見られたのです。この売りは明らかにスナップショットを通過したと誤解しての売りが多くを占めるでしょう。そこで、BHEXがした判断は「事前に定めた日時のXEM保有者とオンチェーンでのスナップショットの瞬間のXEM保有者両方にXYMを配布する」というものです。つまりBHEXでは2回のタイミングでの保有者(重複無し)にXYMが配布されたのです。そうするとXYMが足りないですよね?その不足分はBHEXが支払ったのです。今でも配布されていない取引所が少なくない中、XYMの配布と上場も当時迅速に行っていました。

HBC保有者への補償

おそらくこれは昨年のことだったと思います。HBC/USDTの相場が悪いときが続きHBC(BHEXが発行した独自トークン/BHEX Chainのネイティブトークン)を保有してくれたユーザーの一部は含み損を抱えている状態になっていました(保有によるインセンティブがかなり強かったので、それまで加えてマイナスの方は少なかったはずです)。そこでBHEXがした判断は「希望者から最高値+6%の価格でHBCを買い取る」というものでした。つまり、これにより当時含み損を抱えた人はいなくなったのです。ちなみにその後すぐにしっかり最高値を更新しました。

上場通貨の下落への補償

BHEXは非常に厳正な上場審査を行っていました。その審査基準の大きな要素が上場後に上がるかどうかです。しかし、それでも相場は生物、落ちるときは落ちるわけです。上場したトークンが上場時の価格よりも下落したときにBHEXが何度もした対応があります。それは「上場通貨の上場廃止と含み損を抱えているユーザーへの補償」です。BHEXは自分たちの見る目がなかったからユーザーに補償するというスタンスだったのです。考えられませんよね。でもしていたのです。

上場通貨運営が起こした事故への補償

これはさらに異次元です。ある時、某トークンの運営が誤って保有トークンを市場で売却してしまい、相場が急落したということがありました。本当に事故なのか意図的なものだったのかは今となってはわかりません。その時BHEXがとった対応は「そのトークンを保有して含み損を抱えたユーザーにその急落分の補償をする」というものでした。もはやBHEXには何の非もないように思いました。真摯すぎるというか、真摯というレベルを超えています。しかし、その程度のトークンを上場してしまったことに対する反省とユーザーへの感謝の意がこもっていたとのことです。

BETH保有者への補償

Binanceなどと同じようにBHEXも独自のBETH(Beacon ETH)を発行していました。BETH保有者はETH2.0でのステーキング報酬を獲得することができ、ETH2.0が完成した際には「BETH保有者のBETHを1:1でETHと交換する」というものでしたが、ETH2.0の完成を見ることなくBHEXはサービスを終了してしまいました。そこでBHEXが行ったのはBETH保有者のBETHを1:1でETHに交換するというものです。つまり、ETHと交換できるまで時間があるから相場では1:1になっていないのに、それを1:1で交換したわけです。これもなかなか素晴らしい対応です。通常このような場合、BETHが無価値になるというのが妥当なラインでしょう。

入金ミスへの無料対応

メッセージ忘れやネットワーク間違いなど取引所では入金ミスをするユーザーがたまに現れます。こういった場合、「一切対応しない」「対応するが高額な手数料を取る」のどちらかである取引所は多いです。実際にセキュリティに関係する操作を行うので、それも当然です。BHEXの場合はそれらに無料で対応していることを公言していました。実際に私も助けてもらったことがあります(笑)やはり身長な操作が必要なので数日かかりますが、それでもしっかり対応してくれていたのです。もちろん一度として何らかの事故が発生したことはありません。

ノー事故+ノーサーバーダウン

BHEXは「今までに一度もハッキング事件等が起きていないこと、一度もサーバーが落ちたり重くなったりしていないこと」をうたっていました。技術者がCEOを務めていて、たびたび面白いプロダクトをみせてくれていたBHEXですが、それでもいつかはやらかすのではという気持ちは誰しもあったと思います。

しかし、今回のサービス終了で確定したことがあります。「本当にサービス開始から終了までたったの一度も何の事件もなく、サーバーも一回として重くなったことすらなかった」ということです。運営されていた期間、ブロックチェーン業界では様々な事件が起きました。たびたび各取引所がダウンしていたときも、BHEXは全く重くなりすらせず快適に利用できました。取引所の準備資産を常にブロックチェーン上で公開して透明性を持たせていてもしものときにも備えていましたが、結局一度もハッキング事件が起きることはありませんでした。

超高年利の暗号資産レンディングサービス Bitmore

BHEXではBitmoreと呼ばれるレンディングサービスを行っていました。

まず、レンディングサービスでは"BHEXが預かってDeFiで運用して高年利でリターンを出す代わりにDeFiでのリスクがあるもの"と"BHEX内での証拠金取引などで利用するために何かあった際にもBHEXが補償することを明示しているもの"の2種類がありました。

結果から言うと、1度としてどちらでも貸し出した資金が返ってこないことはありませんでした。

それでは年利を見ていきましょう。

こちらは100 HBC以上保有している方が参加できたAPY 22.02%のUSDT貸し出しです。

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こちらはHBC保有していない方でも参加できた7日間固定/30日間固定の貸し出しです。その期間ロックされる代わりにその年利はそれぞれ 14.39%、16.4%と非常に高いものでした。

DeFiで代理運用してるとは言いますが、自分で運用してもなかなか到達できないAPYです。それでBHEXの利益も捻出したあとにユーザーに配布する数字がこれで、しっかり無事故で完遂したわけです。

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既に今は見れなくなってますが、ロックが全くなく24時間いつでも即時返金してもらえる貸し出しが10%、元金が保証されているUSDTが5%でした。

いつでも引き出せるAPY10%というのも非常に使い勝手が良いものでした。大変にお世話になりました。

USDT以外にもBTCやETHはもちろん、BNBやDOT、UNI、MDX、HNT、HT、SRM、1INCH。EOSなどの貸し出しにも対応しており、どれも大体どこのCeFiよりも高い年利を提示していたのです。もちろんどれも一度としてトラブルは無く、ユーザーとして本当にありがたいものでした。

ありがとうございました。

他にもオプション取引や期限付き先物取引、あまりにもお得なキャプテン制度、お正月のお年玉などの行事ごとの還元、様々な魅力的なイベント、ファントークンのCHZ建て取引、ユニークな上場銘柄、簡単に周りにチップを送れるレッドエンベロープ機能など、珍しくそして面白い、もしくはお得な特徴はたくさんありました。数えきれません。そして語り切れないほどの個人的な思い出があります。BHEX Chainや非常に便利なクロスチェーンDeFiプロトコルHDEX/BHEX Bridgeの開発は進みます。一旦ネイティブチェーンのHBCの取得先が無くなるのでかなり厳しい状況になるとは思いますが、プロダクト自体はとても大きなユースケースをもったものなので、いつかまたあの輝きを今度は分散世界で見れることを楽しみにしています。

なんていうか...エモさしかないのですが、どうせ日本語で言ってもしょうがないことなのですが。本当に皆様、ありがとうございました。大変にお世話になりました。